どういうサムネにしたら、視聴者に内容が伝わりやすいのか?
でかフォント系
フォントは大きく、ぶっとく、ほぼ原色でカラフルに。Youtubeでよく見られるスタンダードな形式。
ガジェットレビュー:さいちょう
怪しげな激安ガジェットをレビューしているチャンネル。ただ使用感を伝えるだけでなく、測定機器を使い、本当に記載された数値を満たしているのかまでしっかり検証している。例えば、モバイルバッテリーなら商品ページ通りの充電容量があるのか、高速充電対応ならそれに相応する充電速度が出ているのかなど。
合成音声ソフトのキャラ+最低限の文字+商品画像という一貫したスタイル。恐ろしいのは、最初の動画の時点でこのスタイルを確立していること。
最初の動画↓最近の動画とまったく変わらないクォリティ。
また同じ動画を投稿しているニコニコでは、右端の文字を消し去っているという対応もすごい。
やっていることはただ文字を消すだけだが、これだけで「Youtubeっぽさ」がなくなるし、ニコニコ視聴者の心も掴みやすい。
これも最初の一発目からやっているのだから、投稿者は投稿前にかなり研究し、バズることを意識して投稿してきたのだろうと思う。
こういうレベルの高い投稿者がいる一方で、地道に試行錯誤をして、サムネを洗練させているチャンネルもある。次項参照。
毒物解説:ゆっくりkm
毒物や薬のほか普段口にする食べ物を毒性(死ぬほどではない)の視点から解説するチャンネル。
動画の履歴をたどると、サムネに対する試行錯誤が見える。
最初期は文字情報が多く、ごちゃついた印象だったのが、最近の動画では厳選された文字情報+インパクトのある一枚絵となっている。
これは硬めのテーマの解説動画によくあるスタイル。
こういう感じ
雰囲気・おしゃれ系(白文字系)
Youtubeの流行りとは真逆をいくスタイル。細めのフォントを使用し、独自のタイトルロゴを作成していることも多い。
一般的なサムネに比べるとインパクトは小さいが、おしゃれな雰囲気を伝えやすい。おそらく、インテリア系の動画が発祥と思われる。
ゲーム実況:あなぐま
クリエイト機能のあるゲームで美しい景観を作ることに定評のあるチャンネル。主に街シミュをプレイしている。
傍で見ていると退屈そうに見えがちなシミュレーションゲームだが、NPCにも合成音声で喋らせ、強いストーリー性をつけることで、RPGを見ているかのような錯覚を与える。
コメント欄を見た感じ、まったりできる動画=Youtubeの主流からはずれた動画を求める視聴者が集まっている印象。サムネのような癒やしを求めてついクリックしてしまう。
ゲーム実況:れべべのゆっくりゲーム実況
ゆっくりキャラの独特なキャラ付け、台詞回しが特徴の実況チャンネル。前項のチャンネルと同じく、NPCに喋らせてストーリー性を強める動画スタイル。
ゆっくり達がゲームをプレイするのではなく、ゲームの世界にいるという設定を採用。ゲーム内テキストの本筋をそのままに、少しだけセリフを変えてストーリーの印象を変化させている。
やはりストーリー性重視となるとサムネも似てくるなという印象。
白文字系に対する考察
おしゃれ系スタイルはインテリア動画由来?
中央に白文字を配置するスタイルは、インテリア系でよく見られる。
インテリアでは特定の「モノ」というより、部屋という「空間」を見せる必要がある。この場合、象徴的なモノをドンと大きく配置するという構図はとれない。
こういうの。
そのため必然的に背景いっぱいに部屋を見せ、主張しすぎない白文字でタイトルを置くという構図に落ち着くのだろう。先のチャンネルも雰囲気重視という点や、広く「街」を見せたいといった共通点がある。似たようなサムネになるのも頷ける。
白文字サムネは空間や大きな広がりを見せたい時に有効
理論が分かれば、違うジャンルにも応用可能。
ゲーム内世界観の解説動画。大きな広がりを感じさせる。
動物解説。雄大な自然の景色とデカ文字が目を引く。
料理系動画では色彩を邪魔しない白が使われる
料理系でも白文字が多い。
こちらの場合は料理の「色彩」を邪魔しないという目的のように思う。解説動画の場合はどうしても文字情報に頼らざるを得ないが、料理は写真一枚で十分伝わる。メインディッシュを邪魔する有彩色のフォントは避けた方がよい。
ビジュアル一本釣り
文字情報が一切ない、画像一枚で惹きつけていくスタイル。日本語の動画では珍しいが、海外の動画だと割りとよくある。というか日本の動画が異質なのかもしれない。
ゲーム実況:ジャック・オ・蘭たん
登録者50万人超の人気実況者チャンネル。
大勢の視聴者がいて、すでにどういうチャンネルかということが広く共有されている状況では文字情報はむしろ不要。画像一枚で十分。
料理:ロウアイキュー
実用性皆無の不思議系お料理チャンネル。最近はゆるっとした合成音声が使われるようになって、さらに味わい深い雰囲気に。
インパクト大のおかしな料理写真が大胆に目を引く。このチャンネルだからこその個性が溢れている。
臨機応変系
動画によってサムネを変えていくスタイル。個人投稿者には難しい。プロだからこそできる千変万化。
企業公式:有隣堂しか知らない世界
横浜に本店を持つ書店「有隣堂」の公式チャンネル。本にこだわらず、店で扱っている文房具や、食品など広いテーマを扱う。毒舌マスコットキャラ「ブッコロー」の軽快トークと、細かなカット編集によってテンポのよい見ていて「気持ちいい」動画に仕上がっている。
テーマに合わせてサムネスタイルが変化している。まるで本の表紙のよう。さすがはプロのデザイナーの仕事という感じ。
この動画のような「どう考えても面白いじゃん!」という企画もさることながら
どういう動画なのかを、一瞬で伝えるサムネがまさにプロ。特にこれ↓
このビールのサムネは技ありの一枚。
台湾の文字を透明化することで、背景のビールの色を生かしたサムネになっている。このサムネ、誰が作っているんだ…。
科学解説:圧縮雑学チャンネル
西尾維新の物語シリーズのような演出で科学を解説するチャンネル。言葉で説明するより見た方が早い。
個人投稿ながら毎回異なる構図なのがすごい。ただ、最近のサムネはスタイルが確立して、黒と赤を印象的に使ったものになっている。
色数が極端に少ないことで、カラフルなサムネの中で目立つ。
ダサムネ系(ダサいサムネ系)
人を惹きつけるおしゃれなサムネではなく、あえて突き抜けたクソダササムネにして目立つという戦略。
めてろん 両性 ASMR
ASMR黎明期から動画を投稿しているチャンネル。ちょっとえっちな動画なので再生する際は気をつけて。
ASMR動画のサムネはほぼほぼこのスタイル。手間もかからないし、チャンネルの方向性と一致していれば最適なのかもしれない。
クソダササムネをついうっかりクリックしたら、思いの外良かった……みたいなギャップ効果もありそう。
二分割系
画面を大きく二分割して見せるスタイル。最近増殖したずんだもん系の解説動画に多いが、もともとこの構図自体は100日チャレンジ系の動画の他、比較・対決系をテーマにした動画によく使われていた。
ずんだもん系
あまりよく知らないのでとりあえずおすすめに出てきた動画を貼る。