空気の約8割を占める窒素。それ自体に毒性はないが、通常の空気と酸素比率が変わることで毒になってしまう。
高濃度の酸素と同じく、通常の空気と比率が大きく異なると人間にとって毒になるだなあと。現在生きている生物は地球の空気に最適化されているんだとつくづく思わされる。
前提:人間の呼吸システム(ガス交換)
まずはじめに、物質は濃度の濃い方から薄い方へ伝わるという現象がある(拡散)。
肺の中の肺胞には毛細血管が通っており、ここには酸素濃度の低い血液が流れ込む。この血液は通常の空気よりも酸素濃度が低いため、外気の酸素が毛細血管へ移動する。
酸素濃度の差を利用して酸素を取り入れるのが呼吸の仕組み。
高濃度の窒素を吸った時に起こること
高濃度の窒素を吸う→取り入れた空気の方が酸素濃度が低い→毛細血管から酸素が逃げる
酸素を取り入れるどころか逆に酸素を奪われてしまう。それだけでなく、反射反応でもっと空気を吸い込もうととし、さらに酸素濃度が低下していく。