軍隊を放棄する代わりに教育に力を入れ、中南米に位置しながらも経済的に豊かな国。
南米といえば軍事クーデターで政情不安定とか麻薬やら治安が悪いとかそんなイメージがあるが、コスタリカはそんな中南米の優等生的国家。
軍隊がないということで中米のスイスと呼ばれることもある。(スイスは男性に徴兵を課していたり、個人の銃所持率が高かったりして安直に同じといえるもんでもなかったりするが)
軍人よりも教師を
1839年、コスタリカ共和国として独立。1870年に大統領となったトマス・グアルディアが改革を推し進めて発展した。彼が打ち出した近代的な政策のひとつが義務教育制度。
現在のコスタリカでは義務教育は13年と長く、高等教育機関の数も人口に比べて多い。
アメリカとの関係
中南米といえばアメリカとの関係が重要で、中南米はアメリカの裏庭とも言われる(誰が言ったんだろう?)
1930年代頃までのアメリカの傀儡政権状態だった中米はバナナ共和国と揶揄された。
これはバナナを安く中米で作ってアメリカが利益を得、その金で現地の政治を牛耳っていたことからそういう政治学用語ができたらしい。(なのでバナナ共和国は中南米だけとは限らない)
常備軍の廃止
2つの世界大戦を経験したコスタリカは、戦後の1949年制定の憲法で軍隊を廃止することを定めた。
そして教育に力を入れ、アメリカ資本頼りのモノカルチャー経済からの脱却が進む。
外資の進出
教育に力を入れ識字率が向上、海外企業を積極的に受け入れたことでコスタリカの工業化が進んだ。
外務省のデータによると主要産業は農業と観光業の他は製造業(医療器具)となっている。
アメリカの介入と非武装中立
この頃、中南米では共産主義政権が次々に誕生。コスタリカは中南米共産化の防波堤となる役割を期待され、アメリカの介入を受ける。
一時は非武装というスタンスも揺らぎかけるも、1983年に「永世非武装中立」が宣言された。(国防や協定により軍隊を組織することは認められおり、完全に軍事力を持たないというわけではない)
永世非武装中立に関してはこの辺りに詳しく書いてあった。↓
コスタリカが非武装中立であり続けられるのは、アメリカや周辺地域とも良好な関係を築けているからというのが大きい。(2014年に隣国ニカラグアに侵略を受けたこともあるが、最終的に戦争は回避された)