日本統治時代を経て、南北に分かれて争った朝鮮戦争が発端。日本統治時代に整備された産業とインフラがみんな破壊された。
そこから韓国は奇跡の経済成長を遂げるがその要因となったのが韓国政府の政策だった。
農業から工業への経済転換
- 厳選された同族経営の企業数社(財閥)を優遇する→コーポラティズム戦略
これにより一部の企業が国際市場で競争力を持つに至った。
韓国の有名企業
こういった一部の財閥は経営を多角化し、韓国のGDPの大部分を占め、事実上の独占企業となっている。そのため国内では非常に大きな権力と影響力を持つ。たまに韓国の大企業絡みのスキャンダルがニュースになるがこのいう背景があるがゆえなんだろう。
大企業で働く高度人材の育成を奨励→教育ブーム
先進技術を必要とする大企業で働くには高度な知識を身に着けた人材が必要。というわけで韓国では教育ブームが起き大卒率が高い国になった。
韓国の統計開発院が毎年発表している「国民生活の質2021」によると、25~64歳の成人のうち、短大・大学を卒業した人は2005年の23.8%から2020年には50.7%と、15年間で2倍以上に増加した。
高等教育の修了率はOECD平均(39.0%)より11.7ポイント高い。
※成人全体だと日本の大卒率の方が少し高かったりする。若者20、30代だけだと韓国の方が高い。
成人全体の大卒率の比較
日本 55.56
韓国 51.71
奇跡の成長の代償
右肩上がりの成長を続けている間はいいが、次第に急激な成長の歪みが出てくる。
- 一部財閥による利益の独占と若年者雇用の減少
先に挙げた財閥が韓国GDPで大きな割合を占めているが、彼の企業はそれにも関わらず若者をほとんど雇用しない。財閥が急激な成長の利益を独占してしまい、一般市民には分配されていないという状態である。
- ブルーカラーの軽視
韓国で「稼げる仕事」というのはいい大学を出て財閥でいいポジションにつくこと。屋外で汗水垂らして土方仕事なんてしたくないという価値観。よってなんとしてても「受験戦争に勝たなくてはいけない」という教育環境が出来上がる。
ブルーカラーが軽視されるのは先進国あるあるだけども、韓国ではそういう考えがより強いようだ。
若者の生活のキツさ、価値観について語っている動画
韓国では深夜に出歩いてタバコを吸ういわゆる不良と呼ばれる若者をよく見かけるらしい。それもこれも勉強についていけない、努力が実らないという環境によるところが大きい。
- 仕事第一主義
韓国は世界有数の長時間労働大国。このページによると年間平均労働時間は2,163時間で世界2位。
長時間労働し過ぎと言われている日本は1,745時間で世界平均よりちょっと高いくらい。韓国と比べると意外とワークライフバランスができているんだな……。
週の労働時間の上限が69時間ってなんだよ。平日5日で割ったら1日あたり約14時間じゃん。やばい。これで少子化の原因じゃないって政府が言ってるとか冗談か??
韓国の財閥は厳しい受験戦争を勝ち抜いた超優秀な一部の若者を雇い、長時間労働させ、輸出で稼いだ利益を独占している。というのが現在の韓国の状況。
なぜ韓国が超学歴社会なのか?
- 国内で力を持っている財閥が若者をあまり雇用しない
- 大企業の数少ない求人=稼げる仕事
- 大企業に就職するにはいい大学を卒業しなければならない
から。それで就職しても馬車馬の如く働らかなければならず、現在の超少子化社会になったという……。
昔働いてた会社にいた韓国人の同僚は日本で家を買っちゃってもう韓国に戻る気はないって言ってたんだが、理由が分かった気がする。
調べてみた感想
急激な変化は社会に歪みをもたらす。
ハイパーインフレしたジンバブエの例を連想する。ジンバブエは経済成長も厳しい状態で韓国の例とは真逆なんだけど、急速に社会を変えるとどこかしらおかしくなるよねという意味で。
独立後に初代首相になったムガベが農業技術を持ってた白人を追い出したりして過激な政策を実行した。それで経済が混乱した結果、ハイパーインフレが発生。
いきなり追い出したりせずに自国民への技術移転を少しずつ進めていけば……こんなインフレにならなったかもしれない。
地道にコツコツ積み上げるしかないんだな~