ベンジャミン・リベット:筋肉を動かす際に発生する準備電位に関する研究者
リベットの自由意志と準備電位の関係を調べる実験
- 数字が書かれた円盤を回転させる
- 回転を止めるボタンの前に被験者を座らせ
- 好きなタイミングで止めてくださいと指示
- 止めようと思った時の数字も覚えておいてもらう
- 同時に被験者の準備電位も測定する
自由意志が存在するなら、
- 止めようと思う
- 準備電位発生
- 手が動いてボタンを止める
という順番になるが実際には
- 準備電位発生
- 止めようと思う
- 手が動いてボタンを止める
という結果になった。
※Wikipediaにはオシロスコープを使った実験について書かれているが、意思の前に準備電位が発生しているという結果自体は同じ
これは人間は自由意志で行動を決定しているように見えるが、脳が外部の刺激を受けて無意識に動かしているということを示している。
free won't
実験では止めようと思ったけどやめたというケースもあった。準備電位が発生したものの、電位が消失し行動に移されることがなかった場合である。
このことから行動を決める自由意思は存在しないが、行動を拒否する自由意思(free won't)は存在するという見解もリベットは示している。実際に体が動くまでの間、意思がそれを黙認しているからこそ体は動く……ということらしい。
が、運動の停止に関しても研究はなされていて、「やめようと思う」意思の前にも脳が活動が始めていることが分かっている。結局「やめようとする意思」より先に、脳が止めた方がいいと無意識に判断しており、それは「体を動かそう」としているケースと何ら変わりない。人間が脳によって動かされているのではないとしたら、霊魂的なスピリチュアルなものを規定して議論しなければならない。